7月7日(月)夜、日本人の友達2人とコーヒーを飲んで話す。睡眠不足で疲れていたこともあって、テンションも下がり気味。自分の話す内容がどうしてもマイナスな方向になってしまって、それがちょっとイヤだったけれど、それでもいろいろ話を聞いてもらった。
7月8日(火)ポルトガル語のレッスン。今の学校でレッスンを始めて10ヶ月ぐらいになる。ここでは(特に文法中心に習っているわけではないのだけれど)「勉強してます」って感じでやっていて、でも先生とはお互いに慣れていることもあって、最近はのんびり気楽にやっている。そのゆっくりした時間が気持ちいいなぁと、今日ふと思った。レッスンがいい息抜きになっている。
7月9日(水)Forróのレッスン。最初に、またリズム音痴のDaviとあたってしまった。同じステップしか踏まず、踊っていても全然楽しくないし、しかも彼が出すサインが分からず、自分が次にどう動けばいいのか分からない。イライラが積もっていたところに、Daviが「最近、踊りに出かけてる?」。全然と答えたら、「練習しに出かけないと」。“偉そうに!!”と思ったら、ものすごく腹が立ってきて、ガマンして無理して踊ることもないなと、次の曲になったとき、彼と一緒に踊るのをやめた。気分が悪いとMatheus とSamira(先生)に話して、見学することに。
見ているときも、Matheus が心配して「もう良くなったか?」「参加できるか?」「踊ろう」と何度も聞いてくる。多分、MatheusもSamiraも、私が彼と組むのがイヤだから踊るのをやめたと気づいている。途中戻ったときには、上手な人ばかりをペアにつけてくれた。あとで考えて、ずいぶん子供っぽい手を使ったなぁと恥ずかしくなったけど、でもイヤなものはイヤだし、こういうワガママも意外にアリだなと思った。
しかし、休んでいるときに、みんな「血圧が上がったの?」と聞いてきたのが実にブラジルらしいと思った。
7月11日(金)明日は研修先で、今やっている医学辞典(編集・校正)についての会議がある。今日はそのための資料を一気に作った。
進捗状況はこれまで少しずつ報告してはいたけど、これまで自分がやっていたことを詳しく説明するのは明日がはじめて。二宮先生は明日、辞書がどのような状況になっているかを知る。今抱えている編集・校正上の問題はどういったものか、そして自分がこれまで校正をどのように進めていたか…。先生だけでなく他の人にも簡単に理解できるような分かりやすい内容で、といろいろ考えながら作ったけど、けっこう難しかった。明日はうまく言葉で説明できるだろうか、ちょっと心配。
7月12日(土)会議の時間より少し早めに研修先へ。犬小屋に近づいたら、Bobが散歩に行けるものとカン違い。吠え出して止まらないので、散歩に連れて行くことに。
今日は天気もよくて気持ちのいい日。いつも通るルートがあるらしく、Bobに案内して行ってもらう(というか、引きずられる)。たったちょっとの距離だけど、いつもこうやって毎日外に出られるのを楽しみにしているんだな。Bobとの散歩は新鮮な体験だった。途中、大田さんと一緒に、運営委員のみなさんとお昼に出る(今日は理事・運営委員会で、運営委員のみなさんも来ていた)。
会議では、資料をもとに、今の状況を具体的な例を挙げて説明した。内容に関しては、校正している中で疑問が出た部分、自分で解決できない部分はすべてフセンをつけて示してある。その多さに先生は驚かれたのか、今からそのフセンはがしに取りかかりましょう、みんなで解決しましょう、となった。そのあと、みんなでLiberdadeに夕飯を食べに行った。とにかく今日は“濃い”一日だった。
7月13日(日)午後、久しぶりにRenataから電話。彼女の大学の仲間が集まる夕食会に誘われた。日本食の食べ放題のレストラン。Renataの友達は日本人っぽい顔をした人も何人かいたけどみんな三世で、日本語を話せる人はいなかった。最初に、Renataがちょっとした自分の紹介をしてくれた。「良くないポル語も覚えた」と言ったらみんな面白がって、汚い言葉やスラングをたくさん教えてくれた(頼んでもないのに…。でもせっかくなのでメモした)。
みんなで写真。
7月24日(木)SESC PompéiaのDiogo Nogueiraライブへ。Diogo Nogueiraは二世歌手で、最近“旬な人”らしい。ルックスも良くて、若い女の子にも人気。今日のチケットも早いうちに売り切れたようだった。
着いたときにはすでに始まっていて、会場は大混雑。後ろのほうにしかいられなくて、イスの上に立って観ていたら注意される。背が低いから見えないんだけど、と言ってもダメだった。一緒に立って観ていたオバちゃんと「なんで私たちだけ(注意するんだろうねー)」とブーブー言っていたら、それがきっかけで仲良くなり、あとは彼女たち(イカした黒人のオバちゃん6人グループだった)のそばで観る。
「彼は声がすごくイイのよねー」とオバちゃん。「うちに来てぇ〜」、かけ声もすごい(そして、ちょっと生々しい…)。途中、彼のお父さん João Nogueira(だったかな、確か)の映像がスクリーンに出たとき、「彼のお父さんもとてもいい歌手だったのよ」と教えてくれた。
ライブはノンストップのサンバ&パゴーヂで、周りは大合唱の踊りまくり。Choppiを飲みながら、彼女たちと一緒に踊る。最初は「サンバがうまく踊れたらいいのに」と思ったけど、自由きままに踊るオバちゃんたちを見ていたら、そんなの別にどうでもよくなった。
ライブは1時間半であっさり終了。最後、サヨナラを言うときに、今日この人たちと一緒にライブを楽しめたことが本当によかったと思えて、それを伝えようとしたら、感極まって涙が出てきてしまった。オバちゃんたちは「(一人で来ていたので)寂しかったのね」と抱きしめてくれたけれど、それともちょっと違う感覚だった。
あっという間だったけど、今日は本当に素敵なライブだった。
7月27日(日)ダンスのレッスンで一緒の、Helgaのうちに遊びに行く。この前のレッスンのとき、Helgaのダンナさんが日系人だということが分かり、今日は姑さんとそのお友達(陸上仲間)が集まる年に一回のスキヤキパーティー。「姑さんのお友達は全員日系人で、日本のことを知りたがっているので、日本人のあなたが来たら絶対喜ぶ」、と。そこに招待してもらった。最初、Helgaが「彼女、日本人なのにForróを習っててオモシロイのよ」と私を紹介。……そんなに変かなぁ。
彼女の家はかなり大きくて、家中がランの花であふれ、光がいっぱいに差し込んで、すごく気持ちがいい空間だった。ダンナさんのお姉さんが設計・建築したとのこと(彼女はインテリアの本にも出ていたぐらいなので、たぶん有名な建築家なのだろう)。
カラオケの機械・テレビは、リビングとベランダに2台ずつ、数え切れないほどのCDやDVD。子供部屋も広くて一人ひとりにシャワーがついているし、家族一人ひとりのコンピューターが置かれているコンピュータールームもあった(「ボイラー室に住みたい」と言ったら笑われた)。
驚いたのは、レッスンでいつも一緒の明るいJenauraは、彼女のうちで働いているお手伝いさんだった。「ブラジルでは、お手伝いさんもこうやって普通に仲良く一緒にいる。そういうのっていいでしょ? 決して一緒のテーブルで食事はしないんだけれどね」と姑さん。スキヤキは、肉が焼肉用だった(←それもまたおいしかった)以外は、味もほとんど日本と変わらない。自分も味つけを手伝った。
食事のあとは、姑さんとお友達とカラオケ大会。「ぜひ歌って」と言われ、誰の曲を選んでいいか分からず、慌ててテレサ・テンを選曲(上手に歌えず不完全燃焼!)。姑さんのお友達、松島さんが帰るとき「あなたが感じがよかったから、私たちも楽しく過ごせた」と言って抱きしめてくれ、この前みたいにまた感激の涙。そのあとは、今度はHelgaの娘さんRenataと一緒にIvete Sangaloの曲をカラオケ。Helgaとダンナさん、Jenauraと3人で少しワインを飲んでしばらく話をしてから、県人会まで車で送ってもらった。
ワインとビールが効いて、部屋に着いたらそのままダウン。今日は温かい気持ちになった、にぎやかな一日だった。
7月28日(月)連邦警察へ。外国人登録証は行くだけで簡単に切替え手続きができるのかと思って行ったら、この間のビザの更新並みの書類を揃えなくちゃいけないことが分かる。
対応してくれた係の人はものすごく横柄なオジさんだった。私が言葉を理解できないと分かると、ちょっとバカにした態度・顔で「理解できますか、セニョーラ?」とイヤミ。そのあと、必要書類を書いた紙をぶっきらぼうに渡された。いろんな外国人が来るからこんな応対になるのも仕方ないんだろうけど、ブラジルに来てからあんなイヤな感じのブラジル人に初めて出会った。
研修先から連邦警察まではバスでそんなに時間もかからないように思うのだけれど、往復するといつもすごく疲れる。久しぶりに風邪をひいたこともあって、今日は一日頭がボーッとしていた。
7月29日(火)今日も連邦警察へ。以前、ビザの更新をしたときに窓口(別の窓口)にいた、眉毛の濃いオジさんが私のことを覚えてくれて「覚えてるよ」と合図してくれたのがうれしかった。
昨日の例の横柄なオジさんは、私が次の日にもう書類をそろえてきたので、少し驚いた顔をしていた。言葉が分からなくったって、日本人、やるときはやるんじゃい!